自転車

雨と共にさしも猛暑も去るとのこと。 ホンマでっか? 

 

一子相伝なんて大袈裟な話ではないけれど親から子へ教えるのが一般的なものがあります。


逆上がりとか自転車とかね。
休日の公園で鉄棒はさみ汗だくなんて親子連れが昔はよく見られたもんで。
同じように荷台持った親父が子供の自転車支えながら必死で追いかけるなんてシーンも。
あたくしも末広公園で坊主たちに教えたもんで。
 
今はどうなんでしょう?
こればっかりはネットだろうがAIだろうが入り込めないもので、その点いかに単純であろうと料理運ぶ人のお仕事に似ております。
 
小学三年の時だったと記憶しております。
補助輪は卒業したもののゴムタイヤの幼児用では行動範囲も団地内に限られており、アネキのお下がりの21サイズはまだ大きいもののなんとかしたいと練習してもケンケンの助走まで。さてどうしたものか。
 
今でもはっきり思い出せますが16号棟のゴミ置場の前でスタンドかけてサドルに座り途方に暮れておりますとロックかけ忘れたスタンドが外れそのままおっとっと!
危うくバランスとってペダルを踏みますと何と!あたくしを乗せた自転車はまるで風のように走り出したんであります。
 
これまで経験したことの無い(気象庁用語)高い位置での浮遊感、空気を切る疾走感、まるで翼を得たような!
これが自由だ~!と、昭和少年目覚の瞬間でございました。
 
以来どんな遠いところへも(ガキの感覚ですけど)探検ごっこと銘打って自転車漕いで行ったもんです。
晩秋の土手道を夕日に照らされながら走ってはガキなりに旅情めいた感動を覚え口ずさむ歌は何故か「ギターを抱いた渡り鳥」。
牛を追ったカーボーイがキャンプで焚火してる映画のシーンに憧れておりました。
あの頃はいくら走っても疲れ知らずでありましたっけ。翼っすよ翼。
 
なのにですよ
 
特にここ最近はラーメン屋行くとかでちょいと漕いでもすぐに息切れだもの。
足が重くってさあ。
これじゃあ翼の折れたエンジェルだ 
 
エンジェルって顔じゃないけどさ。
 
そういや昔って出世すると自転車になったもんです。
仮面ライダー号とかドレミまりちゃん号とかね。ピンクレディーもあったなあ