落語クイズ解答編

落語好きが高じてブログでやっておりますお絵かき名場面落語クイズというのがあります。

今回は解答編でして、店長日記じゃなんのこっちゃ分からないでしょうがどうぞお付き合いのほどをお願いします 

 

 

杉平柾目正というお大名の家中に地武太治部大夫という底抜けに粗忽者の武士がおりまして、赤井御門守様の元へ殿の使者として初仕事に行くことになりました。「粗忽の使者」

出かける前から中間を巻き込んで大騒ぎでございます。馬に反対向きに跨っては「馬に首が無い!乗り直すのは面倒ゆえわしがこうしておる間に馬だけ回せ」なんてんで。

ようやくたどり着いた先方であろうことか口上を忘れてしまい、幼少時から父に尻をつねられては失念したことを思い出す癖がついてしまったてんで指先に力量のある御仁を探しますと、脇で聞いていた大工の八五郎がヤットコもって参上。さてどうなりますことやら。

 

 

知らないと言えない見栄っ張りな和尚がおりまして、体調崩して快方に向かったところで往診に来た医者から「転失気はありますか?」との問いに、つい「あります」と答えてしまいました。

実は何のことやら分からず、体に関わることと心配になって小坊主珍念を八百屋だの花屋だのに使いさせ「転失気」を借りてこさせようといたします。無くても何のことか分かろうかと。

聞かれた方の店でも知らないので、床の間に飾っておいたけど褒められたので親戚にやっちゃったどかみそ汁の具にして食べちゃったとかそろっていい加減。

薬をもらいに行った時和尚に言い含められた通り自分の口から出た風で先生に聞きますと、傷寒論なる医学書にある放屁のことだと知れまして、今度は逆に和尚をだまそうと杯のことだと答えてしまいます。

「なるほど呑酒器であったか!」喜んだ和尚、お見舞いに来た先生に出して見せましょうなんて。

下げはいろいろありまして先代の金馬は「飲み過ぎるとブーブーを言いますので」 これは酔ってくだを巻く語源が糸車から来てるからだという「転失気」

 

 

昔世話をした相手から京下りの銘酒をもらった熊五郎、飲み友達の留さんを呼んで一緒に飲もうてんで。

一番気が合うだの人間が好きだのと言っては肴買ってこさせたり炭起こしてお燗つけさせたりしておりますが、留さんにはちっとも勧めずいい酒だいい酒だと一人グイグイ飲んでおります。

昔ラジオの録音で尺を短かくされた圓生は酔うところまでいけなかったというくらい、一人でしゃべりながら段々に酔っていく向こうに焦れる留公の姿が浮かんでくる過程が聞きどころの「一人酒盛り」

ちなみにこの絵に間違いがありまして、この噺のお酒は柳影ではありません。そりゃ「青菜」でした。

 

 

店先で睨みをきかせる大店の番頭さん、次から次へ店の者をつかまえては小言の山であります。

固い一方の朴念仁かと思いきや一歩店を離れますと小間物屋のばあさんちの二階に隠し部屋なんぞ借りておりまして、迎えに来た太鼓持ちの一八を待たせて自慢の襦袢に着替え向かう先は向島。 今日は芸者達を積み舟で花見をしようという趣向。

大川の両岸は満開の花と大勢の花見客でございます。女の子にせがまれて岸に上がった番頭さん、扇子を広げ顔を隠して鬼ごっこ。「さあ!捕まった奴はどんぶりで酒飲ますぞ!逃げ切ったら祝儀だ~」大変な騒ぎ。

間が悪いってのはしょうがないもんで、たまたま通りかかったのがお店の大旦那さん。それと知らずに捕まえてしまいさあ大変!化けの皮の剥がれた番頭さんの運命やいかに?

志ん朝版ですとラストにかけて一転、人情噺風に泣かせる展開になります「百年目」

 

いやいや、好きな落語になりますとついつい長くなっちまいますな。

でもまだまだ描き貯めた在庫あり、まだまだ止めないもんね