赤いスイートピー
こう暖かくなりますとにゃんこも活発になり、お茶々さんは寝場所を点々としてはあたくしの布団にやってまいります
妄想歌謡曲のコーナーです。
今回は松田聖子「赤いスイトピー」と「ロックンルージュ」 の二曲についてそれぞれの登場人物をプロファイリングし最終的に実在の人物を当てはめようという試みなのですが、分析に当たっては当然ながら曲の舞台となった時代背景が重要でありその人物も流行した当時に活躍した方、要するにあたくしの青春時代に売れていたということは読んでくださるのがもしお若い方の場合「そんな人知らない」もしくは「もうおじいさんじゃん」ってなことがあるかもしれません。
そんな場合は検索機能が発達している現在の事、誰々 若い頃 で画像検索してみてちやうだいね。
二曲に共通するディティールは付き合いはじめのカップルが春の海に出掛けるという。
仮にどちらも湘南海岸方面としましょうか、あの頃の事だし。
一気に書くとものすご長くなりそうなので、例によって前編後編に分けてお届けいたします。
「赤いスイトピー」編
春色の汽車に乗って海に連れていってよ→車持ってない
タバコの匂いのシャツにそっと寄り添うから→部屋干し
この二点からもあんまし金持ってない男ということがわかりますが、女性の方から誘っており半年過ぎても握ってくれない手をもて余しぎみに寄り添うあたり想いの強さは女性側にあることがわかります。
やがて
四月の雨に降られ駅に戻った二人はホームのベンチに所在なく座っております。
サザンのノリでいけば悔しげな彼女とパシフィックホテルに駆け込むという手もあるのにベンチかよ!と、このあたりからもちょっぴり気が弱い男性像がうかがわれ、海に出掛けて駅に人影がないというのは恐らく平日にシーズン前の北鎌倉あたり?
なんぼ金が無くても歩かせ過ぎだろ!そりゃ無口にもなるわ。
とはいえ間が持たず時計をチラ見する男性に向けて熱い秋波を送る彼女、泣きそうになるのは帰りたくないからで、けど北鎌のあたり泊まるとこ無いからなあ。
結構遠いけど平塚まで出ればパシフィックホテルもあるからね、とエールのひとつも送りたくなろうかという。
けどどっちみちホテル代も無かろうし、横浜駅で崎陽軒のシュウマイ弁当買って野郎の部屋に帰りぎこちなく結ばれるってとこでしょうか。
ここで線路の脇にある赤いスイトピーの暗喩(あったらだけど)をあたくしのように下賤な想像で読み解くと、線路と言えば踏み切り、つぼみを前に俺の遮断機上がっちまうぜ~!となるのですがこの男の場合そんなこたあない。
だからこそ生き方が好きと言わせちゃうのよね。
これね
男にとって一種の殺し文句でありまして、ルックスだので惚れられる男はそうそういないし自覚もあるであろう中、あなたの生き方が好き、なんて言われてごらんなさいよ。
どんなに気が弱い奴だって「そ、そっかなあ」ですわ。
ではこれらを踏まえて彼と彼女の人物像を考えてみましょう。
彼女は小さな編集社に短大卒で入社三年目の23歳。
二つ年上で小説家志望で時おり雑誌に小さな記事を書かせてもらっている彼とそこで知り合い、金はないけど木訥とした人柄とその夢に惹かれ彼女の方から交際を申し込んだという。
そのきっかけとなったのが半年前の11月、編集長からアイドル本のゴーストライターを依頼された彼は「俺・・・金でペンは売りません!」と断ってしまいしばらく干されることに。
しかしそんな一途さを見て彼女は I will follow you になってしまったのです。
女性役はもちろん聖子ちゃん(古語)ですが男性に誰を当てるか。
タバコ臭いシャツ一枚を着回して不器用で木訥モジャモジャの長髪。
中村雅俊!