男の世界

みなさ~ん、いかがお過ごしでしょうか? ほとんどの方は今日までがお正月休みだと思います。

かったるいけど明日からまた頑張りましょう!

 

 

昨年から読み継ぎしているこちらの本。動物行動学者竹内久美子先生は講談社出版文化賞を受賞した「そんなバカな!」以来ですが、昨年大ヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディ」を意識した実にタイムリーな著作であります。

先生ご自身がフレディの熱狂的ファンでもあるという。

 

生存競争が基本の自然界において一見不可解に見える動物の利他的行動は、実は遺伝子が自己のコピーをいかに効率的に残すかということが原則になっているといういわゆるセルフィッシュジーン(利己的な遺伝子)理論。

竹内先生はそれが全てではないけれど、大きな影響を与えていることは間違えないと書きます。

 

いつの時代にも40人程度のクラスに一人はいるという男子同性愛者(女性は圧倒的に少数だそうです)。

性的嗜好からすれば当然子孫を残しにくいはずの彼らはなぜどの時代にも一定の割合で存在し続けるのか?

こりゃ生物学最大のパラドックスなんだそうで、まだ途中だけど大変面白いんであります。

でね

 

昨年読んだ中に博覧強記の異才芸人居島一平氏熱烈推薦の三島由紀夫「禁色」がありまして。

ギリシャ彫刻と見まごう美青年悠一のモーホーなお話でしたが全くその気のないあたくしが不思議だったのは彼らがほとんど見境なくお友達になることでして、もちろんある程度の選別はするにせよとにかく数撃つんであります。

それがこちらの本によれば、かつてアメリカの大学で実施された有名な実験の結果からちゃんと理由のあることが分かりまして。

 

平均的容姿の学生男女数人を使い学食でナンパ?してもらいそれぞれおおよそ100人の被験者の対応をカウントするのですが、その際三つの段階を踏むのです。

①デートしよう ②部屋に来ない? ③同衾しない?

 

この男女差が興味深い!

男①50人 ②69 ③72  女①53 ②3 ③0

 

どうすか~、女性がデートまでは気軽に応じるのにその後は極端に減るのに対し、野郎のほうはデートよりも同衾のほうがどんどん多くなるという。

③の誘いに対しては「あんた頭おかしいんじゃないの!?」と怒り出す女性がいたのに、男の中には「どうして夜まで待たなきゃならないの?」なんてのまでいたそうです 

これね

 

女性は受精後次の生殖まで出産を経て長い期間が必要なため遺伝子から見てもより優位の相手を求めるいわゆる一撃必殺?型なのに対し、男性は一回終わればすぐまた次というめんどくさい手順すっ飛ばしても数撃ちゃ当たる型であることの現れなんだそうで。

ですから男女の場合それなりの確率でしか成立しないカップリングが男同士だとどんどんできちゃうということなんですね~!

 

ちなみに男性の性フェロモンは匂いの有無によらず汗に含まれるアンドロスタジエノンで、それを嗅いだ際の性的興奮を示す脳下垂体の反応は女性と男性同性愛者が等しく顕著であるということから、モーホーの人は単なる趣味や嗜好ではなく実際に脳が反応してしまうという、商売でオネエやってるような人もいますけどホントにそういう人は自分じゃどうにもならないものなんですと。

 

「ボヘミアン・ラプソディー」の中でメジャーデビュー後順風満帆に全米ツアーをこなすクイーンが途中立ち寄ったガソリンスタンドで、フレディがマッチョなトラック運転手を思わず追ってしまうその道に目覚める印象的なシーンがありました。

あれも自分じゃどうにもならない衝動だったんでありましょう。

 

いやあ惜しい人を亡くしました、ってその結論でいいのかしら?