耳なし芳一

飲み過ぎてだるいです  

 

子どもの頃アネキに「耳なし芳一」の話聞かされて、夜おっかなくってトイレに行かれませんでした。狭い団地なのに。

少し大きくなってから原作読んでまたおっかなくって、なのに幽玄な世界観にハマって繰り返し読んだもんです。

 

それ知ってるわけでもなかろうに、どういう判断だかおススメ動画に映画「怪談」が上がってて見てしまいました。

制作されたのが1965年だそうであたくし三つの頃。ちょうどアネキに聞いた時期?

構想十年、巨額の製作費をかけたというだけあって重厚なセットと絢爛な美術は今見ても古さを感じさせず、というか輝いていた時代の日本映画で、オムニバス形式四話の中でも目玉であろう芳一の話は恐ろしさと悲しさと哀れさにあふれる素晴らしい出来でございました。

若き日の萬屋錦之助演じる芳一は少年というにはとうが立ってたけどさすがの演技。

迎えに来る平家武者は丹波哲郎で、後に霊会のメッセンジャーに成るのを知ってますので怖いけど面白い。

その他名優ぞろいの豪華キャストに、あ、これあの人だ!とセルフ当てっこするのも面白かったし。

一門を前に壇ノ浦合戦を語るシーンでは安徳天皇を始め公達、鎧武者、女官達が現世の姿と無残な亡霊の姿を繰り返す無間地獄ぶりがすさまじい映像表現でありました。

でね

 

和尚と助手?が芳一の体中にお経を書くシーンが長回しで撮られているんですが細かい経文だけにどう見ても耳に書き忘れてるのが丸わかりで、こりゃあオチ知ってるからじゃなくても分かろうという。

それと同時にさっきのシーンで思った、ふんどしの中身には書いたんだろうか?という疑問が。

そうか!

八雲先生が出雲地方回って聞き集めたのが怪談ですからね、まんま作品にするにはちょいとマズい話も有ったろうと。

実際は耳なしではなくタ〇無し、もしくは○オ無し芳一だったのではなかろうか?

 

痛かったろうなあ、そっちの方が怖いわ